KOSMO KAT 「□」

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京都出身のトラックメイカーによる、デビュー作となるミニアルバム。


邦ネットレーベルの草分け Maltine Records においてはすでに多くのリリースやリミックスをこなしているとのことで、一部ではすでに一定の評価を確立しているようです。自分は彼の楽曲を今作で初めて聴きましたが、ミステリアスで心地良い浮遊感と、流麗なスピード感を損なわないきめ細やかなブレイクビーツは、なるほど昨今のインディ・エレクトロの潮流にも対応しています。しかし彼の場合はヴォーカル/歌メロを中心に立てた作りで80年代シンセポップのフレイヴァーも絶妙に感じさせる。また何処となく内省的だったりナイーブな雰囲気も漂わせてるあたりは、やはり邦人ならではのセンスという印象もあります。そういった複雑なニュアンスを受けて自分が連想するのは COALTAR OF THE DEEPERS 、というか Sadesper Record か。例えばこのアルバムの流れの中に 「DEAR FUTURE」 が混じっててもほとんど違和感ないだろうし、最もポップなオープナー 「秋ガ来ナイ言葉」 はこれバンドアレンジすれば COTD 通り越して Plastic Tree になってしまうんじゃないかという。思いもよらないハブにコネクトした新鋭エレクトロ・グラフィティ。

Rating: 7.4/10


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