Jamie xx 「In Colour」

イン・カラー

イン・カラー

The xx のメンバーによる初のソロ作。


シングル盤の統一されたアートワークを重ね合わせたら、眩しい七色の光が出来ました。彼の中にインプットされている様々なエレクトロサウンド、ここではおそらくその全てが惜しみなく放出されています。 Burial 以降のダブステップがあり、 Four TetThe Field を彷彿とさせる繊細な4つ打ちがあり、ヒップホップ由来のファンクネスがあり、もちろん本隊 The xx と地続きのポップセンスもある。それら多彩な趣向のトラック群は従来の彼らしいクールな静謐で繋がれ、一本の緊張の糸が常に張りながら、感情の機微に富み、時にユーモラスであり、何よりロマンチックな甘美に満ち溢れています。 Romy や Oliver がヴォーカル参加した曲もあったり The xx とかなり密接な内容ではありますが、冷徹なままアップリフトする 「Gosh」 や、珍しくレゲエ調でアンセム感のある 「I Know There's Gonna Be」 のような新境地もあったりと、ソロ名義とすることでよりフレキシブルなスタイルを獲得し、 The xx がデビュー作で自ら打ち立てた高いハードルを打破しようという、ある種の気概も垣間見られますね。これこそ現代のドリームポップ。

Rating: 8.7/10



Jamie xx - Gosh (Official Music Video) - YouTube