COHOL 「裏現 -Rigen-」

裏現 (りげん)

裏現 (りげん)

神奈川出身の3人組による、4年半ぶり2作目。


「表現」 という単語から派生し、裏を現すとされた表題。ブラックメタルを基調としたその音楽性は、人間離れした速度でブルータリティを発散させながらも、ダイブモッシュを誘発するような肉体性ではなく、むしろ聴き手に内省を促す精神的な重みを強く感じさせます。ハードコアにも通じる突進力と、不意にポストロックからの影響も感じられる不可思議な浮遊感。そして何より、自らの骨身を燃え上がらせるようにして放たれる疑念、悲愴、問題提起。あくまで日本語詞に拘り、言葉のひとつひとつを突き刺すようにして叫び続けるヴォーカルが、やはり日本人である自分にとっては一際エモーショナルに響いてきます。この辺には envy あたりからの影響があるのかもしれませんね。場面によってはブラストビートのアタック音によって全ての音が細切れと化すなどエクストリームな音像に仕上がっているわけですが、その濃厚さ、過激さとは裏腹に全編をあっという間に通せる聴きやすさもあったりする。8曲40分弱とコンパクトな設計に要所要所のフック、鬱々とした湿り気とパワフルさの絶妙な匙加減により、強固なトータリティを獲得してるからか。実に痛烈な一発。

Rating: 8.3/10


https://soundcloud.com/osmoseproductions/cohol-depressivesoundcloud.com