dieS 「SOUND MASTURBATION」

SOUND MASTURBATION

SOUND MASTURBATION

約1年ぶりとなるフルレンス3作目。


今回は前作 「VICTIM」 以外の過去曲を再録した半ベスト的な内容ということで、 dieS にとっての得意分野が敷き詰められた内容となっています。すなわち荒々しい疾走感と同時に淫靡なダークネスが棚引くヘヴィ・ロックンロール。前作ではゴシック・ニューウェーブの尖鋭的な要素もアピールしていましたが、ここでは真っ当なバンド感の方が比較的前面に出ており、痛快な勢いの中にも渋い味のあるアンサンブル。例えば 「THE ROSE GOD GAVE ME」 以降の SADS なんかとも共通項の多い、メタリックに引き締まったサウンドでありつつ、良い意味でラフな勢いも感じさせる楽曲群は実に痛快なもの。 「MAD STAGE」 「Scar.to.low.now.YOU.ME」 など砂塵上げて突っ走るアッパー曲があれば、 「死界」 「BERLIN WALL」 といったミドル主体の中盤における重厚なグルーヴもなかなかの聴き応えだし、攻めの手が連続した末のクローザー 「天使」 で見せるカタルシスも実にグッとくる。ある種オーセンティックなロック感と言いますか、ダンサブルなドライブ感がミソとなっている演奏は、昨今のヴィジュアル系シーンでは意外と稀少なものかも。

Rating: 8.2/10