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highfashionparalyze 、三度の来阪とその後

LIVE

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音楽はアンダーグラウンドこそ至高。メジャー行ったバンドつまんない!



3月1日 @ 今は亡き心斎橋CLUB ALIVE! 。真 (ex. Merry Go Round, Smells) が aie (ex. deadman, the studs) と組んで面白いことを始めているとの噂を聞きつけた俺は、デビューアルバムのリリースツアーという絶好のタイミングで彼らのライブを見ることが出来ました。元々はヴォーカルとギターのみでしたが、この時は特別に sakura (ex. L'Arc~en~Ciel) が加わったトリオ編成。そこに在ったのは壮絶としか言いようのない光景でした。各メンバーが互いの出方を窺いながら瞬時に気を発する、作曲とインプロの境目、実に緊張感溢れる音の取っ組み合い。真のヴォーカルはかつてのスタイルとは全く趣を変えた、ほとんど言葉にならない絶叫や呟きでその音群と火花を散らす。失礼ながら自分は真を見くびっていたと言わざるを得ません。過去のバンドのライブを見たことは無いのでなんですが、その気の発し方は往年の勢いよりもさらに上を行くであろう、ただならぬ説得力をもって十分にネクストレベルを提示するものでした。ただただ固唾を飲んで凝視する他なかった。


7月12日 @ OSAKA MUSE 。この日は藤田幸也率いる Kαin 主催のイベントに、 aie の別働隊 THE MADCAP LAUGHS と共に招聘されたもの。よってこの日も sakura が加わったスリーピース。一番手を切った彼らはやはり身体を抉り取るような激しく生々しい感情を発露する。身を乗り出して鬼のように鋭い目つきを向ける真。フットワークの軽い動きでテレキャスターの鋭い鳴りを響かせる aie 。二人を注意深く見据えながら呼吸を合わせ、時には全体の流れをコントロールする sakura 。2回目なのと音源を聴いた後だったので前回よりは音の輪郭を掴みやすくなりました。不定形なジャム要素の強い楽曲の中で、ドラムの存在がここぞという聴き所、静と動の緩急を聴き手に伝えやすくするナビゲート的な役目を果たしてる。そして本編の後は幸也リクエストにより、 hfp +幸也ギター+清ベースによる Merry Go Round 「桜の満開の木の下で」 披露。メリゴの曲を生で聴くこと自体が初めてなのもありますが、単なる懐メロの再現ではなく、真が完全に詩の世界に入り込み、本編同様にグロテスクな激しさを持って聴き手に迫る。彼の表現の本質、根っこの部分は変わらないことを示す、これ以上ないサービスでした。


10月23日 @ 大阪RUIDO 。ここからバンド表記が大文字の HIGH FASHION PARALYZE となり、ベースに kazu (ex. 蜉蝣) が参加して4人編成に。しかしいつもの演奏にベースが入るというだけではなく、曲の構造もかなり変革が起こっていました。今までのインプロ重視の形態から、かなり真っ当なロックバンドとしての作曲された展開、定形のビートによるタイトな躍動感を発するようになった。過去の楽曲にも本来在るべきような形でリズム隊が入り、ダイナミズムが劇的に増加。 「箍を外す場合、穴に群れる具合」 などは特に分かりやすい。それでも従来の先の読めない面白さが減退したというわけではなく、持ち時間30分程度を曲間排除でフルに使った組曲的な構成はやはり刺激的だし、狂気的なダークネスはまるで薄まることなく聴き手の意識を強く縛り付ける。対バンの犬神凶子をして 「地獄のような演奏」 と言わしめるほど。柔軟に変化するアンサンブルはセッションを楽しむベテランの余裕、それと同時に皮膚へ焼き付くほどの気迫。


これら3公演は同じ楽曲を披露しているにも関わらず、短時間のスパンの内でみるみる表情を変え、ライブの度に鮮烈なインパクトを植え付けるものでした。インプロ云々と言うと難解で頭でっかち、下手すれば演者側の自己満足とも捉えられかねませんが、彼らの持つ意識は間違いなく外を向いたもの。感情表現の深層に辿り着くために様々な可能性を模索したところ、今のスタイルに辿り着いたという必然性が感じられる。それとこれら3公演に共通していた、個人的に何気なく印象的だったことがあって、終演の際に真が両手を前で合わせ、深く礼をして立ち去ること。彼のその仕草が緊張の糸をプツンと切って綺麗にライブを結び、すっかり悪夢の情景の中にいた自分の意識を我に帰させる。おそらく俺は今現在が一番、真というオリジナリティに魅入られています。


そして彼らは同じメンバーにより gibkiy gibkiy gibkiy なる新バンドを結成した模様です。なお続くメタモルフォーゼ。