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チャットモンチー 「chatmonchy has come」 「耳鳴り」 「生命力」 「告白」

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chatmonchy has come (Forever Edition)

chatmonchy has come (Forever Edition)

2005年発表のメジャーデビュー作となるミニアルバム。


スリーピース時代のアルバムが当時のライブ音源を合わせて一挙リマスター再発されました。あれから早くも10年が経ってしまった。出会った当時の気持ちは今でもよく覚えています。同郷で同い年の女の子がメジャーデビューということで、自分は勝手な親近感と少なからずの期待を寄せていたのですが、そうした極主観的な思い入れがなくともこの作品はきっと愛聴していたと思います。彼女たちの等身大からやや少し背伸びした、なんのことはない至って素朴なオルタナティブギターポップ。しかし当時ガールズバンドと言えばアイドル路線、もしくは過度にメイクアップしたバッドガールズしかいなかったものだから、彼女たちのデビューはひどく鮮烈に映ったものでした。まだ徳島時代のノスタルジックなあどけなさが残りますが、凛としたメロディに乗る柔らかな感情の揺れは確かに原石の魅力を感じさせてくれた。特に彼女たちの代表曲のひとつでもあるオープナー 「ハナノユメ」 。この曲だけでも同世代の若者や後進のミュージシャンを目指す女子たちをどれだけ勇気づけただろうか。6曲26分の青春の輝き。

Rating: 8.8/10



Chatmonchy - ハナノユメ Live




耳鳴り (Forever Edition)

耳鳴り (Forever Edition)

2006年発表の初フルレンス。


当時の彼女たちの状況と言えば、リスナーや評論家のみならず同業のミュージシャン界隈でも高い注目を集めていて、彼女たちに言及することがもはやひとつのトレンドと化していましたね。そんな旋風の最中で発表された今作、期待にはしっかり応えていたと思います。オープナー 「東京ハチミツオーケストラ」 の歌詞にもあるように、徳島から上京したてで目に映る様々が新鮮であり、それ故の多少肩肘張った感覚も見受けられる、ある意味デビュー作らしいデビュー作。その中でも 「どなる、でんわ、どしゃぶり」 や 「恋愛スピリッツ」 の生々しくヘヴィなエモーション、 「メッセージ」 「ひとりだけ」 の奥行きをグッと増した表現力には思わず唸らされる。そして歌詞は3人とも手掛けているわけですが、それぞれのキャラクターも徐々に立ち始めましたね。ややファンタジックな風景描写が目立つあっことくみこんに対し、えっちゃんは自らの心身を切り売りするかのような重さ。曲を聴きながらこの3人の微妙なバランス感覚を噛み締めているうちに、すっかり彼女たちから目が離せなくなっていたのでした。

Rating: 7.6/10



チャットモンチー 『「恋愛スピリッツ」Music Video』




生命力 (Forever Edition)

生命力 (Forever Edition)

2007年発表のフルレンス2作目。


この作品と 「告白」 は再投稿になります。当時聴いた時はかなり落胆してボロクソ書いてしまったのですよね。デビューから場数を重ねてきたからか多少肩の力が抜けて、歌詞におけるユーモラスな遊び心や曲調の幅の拡張といった変化が見られる今作。自分にはそれがどうもリラックスしすぎでガーリーな可愛らしさが強調され、毒の抜けたセルアウト状態に感じられてしまったから。ただ改めて対峙してみると昔よりは受け入れられる気がする。より広い視野を意識したポップ化路線は彼女たちにとって必然的な流れだっただろうし、実際このアルバムで完全なブレイクスルーを遂げたのだから、とは思うのだけどやはり 「Make Up! Make Up!」 や 「とび魚のバタフライ」 なんかは聴いていて気恥ずかしくなってしまうな (苦笑) 。 「シャングリラ」 「真夜中遊園地」 など突出したキラーチューンも確かにあるけれど、全体的にアイディアありきで書いてるからかどうも曲がネタ臭くなってる気がするし、細かいことを言えばギターの単音ロングトーンの間延びした響きや、英語詞の似合わなさも力の抜けてしまう要因か。ただこの無邪気さは確実に現在にも繋がってる。

Rating: 5.0/10



チャットモンチー 『「シャングリラ」Music Video』




告白 (Forever Edition)

告白 (Forever Edition)

2009年発表のフルレンス3作目。


久しぶりに聴いて 「8cmのピンヒール」 がこんなに鮮烈なオープニングだったのかと今更ハッとさせられた。当時は多分気付いてなかったけど、 「耳鳴り」 のオルタナティブな力強さと 「生命力」 のポップなユーモアの中間地点にこのアルバムがあるのかなと。よっておそらく今現在のチャットモンチーに繋がる部分が一番多い。そう言えばジャケットにも前2作の赤と青が合わさっていますが、これは意識的なことなのでしょうかね。自らの出自を再確認した上で以前よりも開かれたポップネスがあり、シンプルなスリーピースながらも大きな器を備えたチャットモンチー流のギターポップ。そのひとつの到達点がここに在るように思います。しかし 「染まるよ」 、この歌詞の素朴な中に秘められた雄弁さはどうだ。間違いなくチャットの中でも五指に入る名曲です。これえっちゃん作詞だと思ってたけどあっこなんですね。この絶妙なビターさ加減にはおじさん思わず一杯やっちゃうよ。 「長い目で見て」 「LOVE is SOUP」 のようにちょっと遊んだ曲も全体の中ではちょうど良いアクセント。ますます大きくなって頼り甲斐のあるチャットへと成長したのでした。

Rating: 7.8/10



チャットモンチー 『「染まるよ」Music Video』