水曜日のカンパネラ 「ジパング」

ジパング

ジパング

2012年結成のユニットによる、1年ぶり5作目。


微妙に周回遅れながらなんとか飛び乗った最近のカンパネラブーム。今年に入ってから過去の MV を聴き漁っていたわけですが、聴けば聴くほど不思議なユニットだなと。ダンスポップの現在進行形をしっかり掴んだケンモチヒデフミのクールなトラックも然ることながら、場合によってはほとんど罰ゲームな要望にも応じてみせるコムアイのタフな魅力よ。変顔含めて何とも表情豊か、しなやかで自由奔放な彼女の振る舞いには日に日に興味が高まっている今日この頃です。今作はその可変速ビートが更なる冴えを見せつつ、アルバム表題に沿ってか似非エキゾチックな雰囲気も割増し、ますます挑戦的かつポップに振り切れた内容になっています。怒涛の勢いでアップされる先行ナンバーがどれもこれも瞬時に脳内を支配するキラーチューンばかりでしたが、特にお気に入りなのは無闇なゴージャス感がシュールに転じる 「ラー」 、感傷的なメロディがストレートに胸を打つ 「メデューサ」 、ジャジーな中にも暖かみの滲んだムードにグッとくる 「マッチ売りの少女」 あたりか。いやでも全体的にも脂乗りまくりなアベレージの高さ。 「猪八戒」 はちとウザいけど (笑) 。

Rating: 8.7/10



水曜日のカンパネラ『メデューサ』 - YouTube