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きのこ帝国 「猫とアレルギー」

K

猫とアレルギー

猫とアレルギー

1年ぶりとなるフルレンス3作目。


ますます外に開かれていくきのこ帝国。それはメジャーデビューして丸くなってしまったなどという安直な話ではなく、創作活動を続けていく上でのポジティブな意識の変革であり、ロックバンドを転がす上では至極真っ当な姿勢だと思います。以前よりも明らかに暖かみや切なさを多く含んだ瑞々しいメロディライン、それは決して派手なものではないけれど、佐藤千亜妃の内に在る心象風景を丁寧に伝える。アンサンブルもギター1本+キーボードという編成が目立ち、轟音ノイズによるオルタナティブな実験性ではなく歌モノとしての普遍性へと向かった、極々シンプルなポップソングが揃っています。 「35℃」 ではまるで GOING UNDER GROUND のような青春グラフィティを描き、 「スカルプチャー」 「ドライブ」 は佐藤氏のルーツにフォーク/昭和歌謡が存在することを強く匂わせる。何故こういう変化を遂げたかというと、やはり佐藤氏の表現がますます他者との繋がりに重きを置くようになったからでしょうね。優しい思い出は綺麗に引き出しに仕舞って、豊かな現在を生きるための僅かながら大きな一歩。ひとまずぼくも The Smiths のTシャツ買うことにします。

Rating: 7.2/10



きのこ帝国 - 怪獣の腕のなか