Oneohtrix Point Never 「Garden of Delete」

GARDEN OF DELETE [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] アマゾン限定特典マグネット付 (BRC486)

GARDEN OF DELETE [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] アマゾン限定特典マグネット付 (BRC486)

US 出身、 Daniel Lopatin によるソロユニットの2年ぶり8作目。


話によると昨年の NIN と Soundgarden に同行したツアーに触発されてサイバーメタル/ハイパーグランジなるジャンルを標榜し、さらに架空のバンド Kaoss Edge に大きく影響され、その Kaoss Edge の熱狂的ファンであるエイリアンの少年 Ezra とコラボレートして作った作品とのこと。もうわけわかめ。その辺の経緯はともかくとして、サンプルループを駆使した神経症的なノイズ/コラージュ感覚を引き継ぎつつ、以前よりもクリアな輪郭を持って浮かび上がるメロディ、そしてミニマルから逸脱したダイナミックなうねりを感じる曲展開。特に 「Sticky Drama」 などは確かにメタル由来のキャッチーな激しさを導入しているようにも聴こえるし、何かしらのストーリー性を帯びたドラマチックな構成が美しい。とは言ってもそこは 0PN 、窓口を広げただけで聴き手の神経をとことん逆撫でる露悪的な実質は変わっていません。以前から彼の作る楽曲に通底していた深い井戸の底を覗くような空虚さや物悲しさが、ポップ/ロック要素の増大とは裏腹により強調されている気もします。シュールで無機質な音の隙間から立ち昇る、ひどくグロテスクな人間臭さで溢れた心の闇。

Rating: 8.3/10



Sticky Drama - Prologue - YouTube