電気グルーヴ「DENKI GROOVE THE MOVIE? -THE MUSIC SELECTION-」

DENKI GROOVE THE MOVIE? -THE MUSIC SELECTION-

DENKI GROOVE THE MOVIE? -THE MUSIC SELECTION-

映画「DENKI GROOVE THE MOVIE?」に基づいたコンピレーション盤。


意味性をなるべく排除した機能的なテクノミュージックであっても、キャリアを長く積めばその変遷の中に様々な文脈、物語が生まれてくるもの。それ故にこの手の編集盤は下手すればオリジナル盤以上にエモーショナルな物語性を孕むことがあります。彼らの活動の歴史は J-POP シーンへの対抗の歴史であり、悪ふざけ全開でありつつ苦悩もみっちり詰まったひとつのバンドドラマ。その約25年分の歴史が詰め込まれた映画のサントラ的役割となれば、楽曲の内容以上のエモさがどうしたって際立ってしまう。映画のシナリオ順に楽曲が並べられた今作には初収録のライブテイクなどもあって単純にお得感もありますが、良くも悪くも当時の時代感が出てしまう「電気ビリビリ」や「MUD EBIS」から「SHAMEFUL」に至る距離感、その間の紆余曲折というのは聴いていてとても不思議な感慨が湧いてきますね。個人的なハイライトをひとつ挙げるとすれば「VOLCANIC DRUMBEATS」の野球ディスコテイク。セールス絶頂期の97年に彼らがどれほどブッ飛んでいたか、そのリアルな記録が収められていて思わず鳥肌が立つ。まだ映画やってるらしいんで見た後にこれ聴きましょうね。

Rating: 7.0/10



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