School of Seven Bells「SVIIB」

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SVIB (ボーナス・トラック収録/解説・歌詞・対訳付き)

SVIB (ボーナス・トラック収録/解説・歌詞・対訳付き)

ニューヨーク出身のバンドによる、4年ぶり4作目。


昔のサマソニ来日時に彼女らのライブを見たことがあるのですが、シューゲイザー/ドリームポップの幻惑的でダークな雰囲気が色濃くありつつ、アップリフティングなエレクトロビートによって内省ではなく極めて外向きのパワーを発散していた、とても刺激的なアクトだったのを覚えています。あれから双子姉妹のうち Claudia は脱退し、中心人物 Benjamin Curtis は悪性リンパ腫によってこの世を去った。そして唯一残った Alejandra のみで作り上げたという今作。まるで憑き物が落ちたかのようにダークネスは払拭され、開放的なシンセの重層とパワフルに強化されたダンスビートがなんとも鮮烈。もはや MadonnaKylie Minogue の領域にまで差し掛かったポップネスですが、単なるセルアウトには終わらず、その裏にはシューゲならではの暖かく心地良い浮遊感も確かに残されています。ちょうど春の目覚めを思わせる華やかでポジティブなサウンドは、あくまでも前を向いて進化を続ける表現者の矜持であり、バンドの幕引きとしてはあまりにも美しい姿。最後を飾るのが Joey Ramone「I Got Knocked Down (But I'll Get Up)」カヴァーというのも、有終の美という他ない。

Rating: 8.0/10



School of Seven Bells - Ablaze [Audio]