SHISHAMO「SHISHAMO 3」

SHISHAMO 3

SHISHAMO 3

1年ぶりとなるフルレンス3作目。


以前から兆候のあったことではありますが、彼女らの歌を聴いていると切なさやら気恥ずかしさやらで窒息しそうになってくる、その度合いが今作でいよいよ致命的になりつつあります。気恥ずかしいというのは別にネガティブな意味合いではなく、楽曲からムンムンと湧き立つ女子力の高さのため。今作で全ての作詞作曲を手掛けるヴォーカル宮崎朝子は、声の掠れやブレスのひとつにも深い意味が宿ることを確実に掴んでいます。若葉の青さ薫る男女のあれやこれや、その最中にある感情の微細な揺れを飾らずに描き上げる、その筆致はもはや aiko にも肉薄する勢い。それが声の端々からセクシーさとキュートさを振り撒きながら歌われるもんで、同年代にはストレートに刺さるだろうしおっさんの肺には穴が開きそうになる。またバンドの現在の勢いを象徴するように楽曲の方も充実しています。メロディは以前よりさらに起伏豊かで伸びやかなポップネスを身に着け、デビュー時ですでに発散されていたフレッシュさが一層彩りを増して映える。「女心」というタームには強い昭和臭を感じるけど、ここに在るのは2016年の若者が紡いだ、きっと時代を越えて共通する女心。

Rating: 8.0/10



SHISHAMO「みんなのうた」