More「PARADIGMA」

PARADIGMA

PARADIGMA

2015年結成の4人組による、初のミニアルバム。


各メンバーに様々な過去の経歴があるわけですが、この新バンドはその中でも Sugar に近い方向性ですね。シタールやタブラの音色が妖艶かつ禍々しい世界観を演出する「syntagma」に始まり、メタル由来のヘヴィネスに頼らずシングルコイルの鋭い鳴りを活かした「ashes to ashes, dust to dust」、流麗なピアノをフィーチャーして淫靡さに磨きがかかる「The Hanged Man」、洒脱な哀愁から重苦しくダークなムードへと急転直下する「琥珀」、そして複雑に展開しながらもダンサブルな躍動をスムーズに繋ぐ「廻る夢と激情と」。コテ系と言えばコテ系だけども既存の枠からは脱し、異国情緒を塗して妖しさや美しさを追求するスタイルには光るものを感じます。この良い意味での軽さを打ち出した音楽性は数年前からインディシーンにおいて少しずつ盛り上がりを見せており、9GOATS BLACK OUT 、amber gris 、yazzmad といった個性豊かなバンドが台頭してきていましたが、残念ながら現在ではいずれも途絶えてしまっています。その中で彼らは新たな流れを生み出すことができるか。これからの活動に期待したいです。

Rating: 7.0/10



More - PARADIGMA