GASTUNK「UNDER THE SUN(US MIX)」

UNDER THE SUN ・US MIX (SHM-CD EDITION)

UNDER THE SUN ・US MIX (SHM-CD EDITION)

87年に発表された2作目のボートラ追加リマスター盤。


パンク、ハードコア、メタルそれぞれのエッセンスが地下の薄汚いライブハウスで混血したようなデビュー作「DEAD SONG」から、かなりメタル寄りのアプローチへと舵を切った今作。土煙吹き上げる勢いはそのままに、重心をグッと落としたタフなパワフルさと随所で披露されるテクニカルなギターワーク、そしてブルータリティに満ちた絶唱が不意に見せる男泣きの哀愁。「LEATHER SHIP」などで見せるエモーショナルなメロディは後の X にそのまま繋がるジャパニーズメタルの旨味が凝縮されてるし、「RUNNING TO THE SUN」の大陸的な広がりを感じさせるトライバルな躍動感、クローザー「REGINA」でのナイーブとも言える美しさも鮮烈なインパクトを放っています。どの曲においてもバンドの持つ振り幅、表現力が着実に押し広げられているのがよく分かる。自分は最初に GASTUNK の楽曲に触れたのが特撮の「GERONIMO」カヴァーだったのですが、まずそのインディアン×ハードロックなイメージ(あと BAKI のコープスメイク)が決定的だったため、個人的にはこの作品にこそ GASTUNK ならではと言える個性が濃密に発揮されているように思います。

Rating: 8.7/10