The Field「The Follower」

The Follower

The Follower

ストックホルム出身、Axel Willner によるソロユニットの約2年半ぶり5作目。


全くもってブレない方であるなあと。周りのプロデューサーがどれだけビートを変則的にこねくり回そうが、あるいは音圧をガチガチに上げてようが、流行に一切左右されず独自のテクノミュージックを貫き続ける男。ミドル~ダウンテンポ、ちょうど首や腰にクる心地良さの BPM でスクエアな4つ打ちが延々とループされ、上モノのテクスチャーを3小節毎、6小節毎という具合にここぞというポイントから絶妙にズラして展開させていく。そこから泉のように静かに、しかし豊潤な陶酔感を湧き立たせるミニマリズムの極意。今回はややダークなアンビエント色が微妙に強いでしょうか、穏やかながらトリップ感に満ちた10分前後の長尺曲×6。実にシンプル、実にストイック。さすがにアルバム5作続けて似たような方向性だと聴き手にも飽きが入ってくるものですが、洗練純化されたサウンドのきめ細やかさ、脇目をふらない主張の強さが全編に共通して表れており、不思議とダレずに聴けてしまう。特にクローザー「Reflecting Lights」での、もはや神々しさにすら到達しそうな多幸感には思わず溜息が洩れる。彼は何処までこの道を突き詰めるつもりなのか。

Rating: 7.1/10