9mm Parabellum Bullet「Waltz on Life Line」

約3年ぶりとなる6作目。


3年分の質量は並のものではなかった。昭和歌謡譲りのベタベタなメロディライン、性急なスピード感で捲し立てるテクニカルなアンサンブル、しかし重さよりもフットワークの軽さを重視した 9mm 流のメタル・アグレッション。実際にシングル曲が多く収録されていますが、その他もシングルカット出来そうな王道のアッパーチューンが勢揃い。変則的なリズムが絶妙に活かされた「生命のワルツ」「Kaleidoscope」、男らしく力強い哀愁にグッとくる「湖」「スタンドバイミー」、コミカル一歩手前の変態性が表れた「反逆のマーチ」「モーニングベル」等々、これまでに彼らが積み立ててきたバンドの魅力が余すことなく詰め込まれています。個人的に彼らに対してはどうも煮え切らなさというか、突き抜けそうで突き抜けきれないもどかしさのような感覚がずっとあったのですが、今作では全く、一切の留保がない。全15曲がそのままライブ本編の熱狂をパッケージしたかのように、多少緩急はつけながらも終始ドライブしっ放しの勢いが貫かれており、聴き終えた後には何とも心地良い疲労感が残る。過去最高の充実度ではないでしょうか。

Rating: 8.5/10



9mm Parabellum Bullet - Lost!!