HELLCHILD「…TO THE EDEN」

…TO THE EDEN

…TO THE EDEN

87年結成の4人組による、92年に発表された初 CD 作の再発盤。


本来の「…TO THE EDEN」はディスク1の頭4曲。そこにデモテープやライブ音源をありったけ追加して2枚組27曲まで膨れ上がり、もはやどっちが本編なのやらという状態。しかもオリジナル盤は未マスタリング状態だったらしく、今回晴れて正式にマスタリングされた音像は、鳩尾へと捻じ込まれるような怨念バチバチのへヴィネスが際立ち、20年以上の時を経てようやく今作が完成したと言えるのではないでしょうか。荒々しくもドッシリした重量を感じさせるアグレッションは80年代スラッシュメタルの影響が色濃く、そこにデスメタル特有のグロウルや面妖なギターフレーズから発せられる血腥さも強烈なもの。実にタフで血気盛んなサウンドは90年代の同世代を生きた外タレバンドと比較しても決して見劣りしない、それどころか洗練されずに荒くれたロックンロール成分の旨味も凝縮され、この時点ですでに強固なオリジナリティを獲得していると思います。デモ音源についても音質のレベルが若干下がる程度で、楽曲自体のクオリティはほとんど変わりなし。エクストリームメタルの種がこの国にも確かに宿っていたことを雄弁に物語る貴重な死霊もとい資料。

Rating: 8.0/10



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