TOKYO HEALTH CLUB「VIBRATION」

VIBRATION

VIBRATION

2010年結成の4人組による、約2年ぶり3作目。


バンド名もアルバム名もいかがわしさ満載。しかし中身はそこまでアンダーグラウンドなわけではありません。3MC のマイクリレーはアッパーだけど脱力気味という軽妙さでフロウし、シティポップ風味の洒脱なムードを纏いつつコシのあるファンキーなビートは非常に馴染みやすい。リリカルな情景描写とウェイウェイふざけた遊び心の交差、そこには深い意味があるようなないような、ただその柔軟なラップは現場の熱気を自然にアップリフトするであろうスキルフルなもの。ゲスト参加の MCpero に半ば無理矢理ほめてもらってる「オシャレ」、ZOMBIE-CHANG の意外なくらいの歌唱力が映える「MAD-ONNA」が特に目立ちますが、彼らの表現のコアとなるのは気怠くも爽やかな「ASA」、映画やゲームでダラダラ過ごす「休日は Holiday」、茹だる夏の瞬間があっという間に過ぎていく「Last Summer」、この辺のスルスルと切り取った日常風景、そのユルさと何気ない輝かしさではないかなと。テキトーという名の等身大。最後の MACKA-CHIN フィーチャーによる「ズラカル」も洒落の効いたシメ。実はコンセプトアルバム?

Rating: 8.0/10



天竺 / TOKYO HEALTH CLUB