神聖かまってちゃん「夏、インストール」

1年10ヶ月ぶりとなる7作目。


これまでにもたびたびコンセプトとして使われている「夏」。そのイメージに沿っているのかどうなのか、必要以上の飾りつけのないシンプルなバンドサウンドで、随分とスッキリした印象。ただそのせいでの子のヴォーカルの良い意味での気持ち悪さは一層浮き彫りとなり、楽曲の中で強烈な存在感を発揮しています。「リッケンバンカー」「天文学的なその数から」といった青春そのものの疾走ポップ曲がありつつ、「あるてぃめっとレイザー!」を彷彿とさせるハウリング塗れのパンクチューン「僕ブレード」、もはや随分と懐かしさのある「drugs,ねー子」と、メンタルの明暗が曲によってグルグルと入れ替わる流れ。しかし以前のように深刻に病んでる様子はさほどなく、全体を通して印象的なのはポジティブな前のめりの姿勢。あと歌詞の中には「うまくいかない事もあるさ人生」など、なんだか大人びた割り切りを感じさせる部分もあり、気づいたら彼らももうオーバー30だものなあ…と妙に感慨深くなったり。でも個人的に最もインパクトが強かったのは、不意にゴロリと搔き出された膿のような「ロマンス」でした。

Rating: 7.0/10



神聖かまってちゃん「きっと良くなるさ」MusicVideoフルVer.