読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる








SUMMER SONIC 2016 OSAKA 1日目

LIVE

f:id:sikeimusic:20160821220523j:plain

行って来ました。年によって行ったり行かなかったりでもう何度目だか分からないサマソニ。今年は灼熱の陽射しに負けてスロウスターターです。


THE YELLOW MONKEY @ OCEAN STAGE

今年に入って遂に再結成を果たしたイエモン。自分はリアルタイムでヒット曲の数々を目の当たりにし、アルバムもちょこちょこチェックはしていたのですが、胸を張ってファンと言えるほどの知識、思い入れはないというのが正直な所。ただそれでも、きっと他の大勢の観客と同じように新鮮味とノスタルジーの綯交ぜになった気持ちで、今回の出演を楽しみにしていました。

メンバー皆晴れやかな笑顔で登場し、まず放たれたのは「SUCK OF LIFE」。大ラスのメンバー紹介のイメージが強かっただけにこれは意外だった。「君の彼はゲイでおまけにデブ/幸せなんて言葉はない」。真夏の晴天にひとつも似合わないギトギトのグラムロック。しかしながら一切の迷いや葛藤を脱ぎ捨てたようなパフォーマンスは、猥雑なセクシーさや刺々しさといったバンドの攻撃的な部分よりも、スタジアム規模の広い器を備えたポップネスの方が前面に打ち出された、正しく「みんなのイエモン」といった印象なのでした。後半では特に「SPARK」「楽園」「バラ色の日々」「LOVE LOVE SHOW」といったヒットシングルの惜しみない大放出。フェスという現場で自分達が何を望まれているかを十分に把握し、そのど真ん中をストレートで射貫いてくる、大文字のロックバンドとしての仕事をガッツリこなしていました。

この盤石の内容はともすればセルアウトという見方をされかねないもの。しかしイエモンがかつて第1回のフジロックに参戦した時、敢えてシングル曲を絞ったセットリストで挑み、挫折を味わう結果となってしまったという経緯があります。調べてみるとその時の1曲目は今回と同じ「SUCK OF LIFE」。これは20年前の雪辱を(フェスは違えども)ここでようやく晴らすという宣誓だったのかもしれません。そしてその後の楽曲セレクトは20年前とまるっきり違う方向性。吉井和哉は MC で「リベンジしたいことが沢山ある」と言っていました。ショウビズを全うしたように見えて、実は後になって気付くことの多い、深い文脈を孕んだライブだったのかなと。「このオーソドックスなスタイルでこれからもやっていきます」とも言ってたし、イエモンのストーリーはこれからなのでしょう。


サカナクション @ OCEAN STAGE

今回は和太鼓集団 GOCOO とのコラボレーションということで、所狭しと並べられた太鼓の数々が開演前から物々しい雰囲気を醸し出していました。ただ GOCOO の出番は中詰のトランスセッションのみで、彼らの楽曲に加わるということはなく、基本はいつものサカナクションでした。5人が一列に並んでラップトップを操作したり、「夜の踊り子」で芸者ダンサーが出て来たり、「アイデンティティ」「ルーキー」の連打でクライマックスを迎えたり、彼らのライブにおける鉄板を余すことなく詰め込んだ内容。

個人的にフロントマン山口一郎の思想には違和感を感じています。かつて彼のインタビューの中で、フェスの盛り上がり方が画一的であることに対する疑問視、音楽的なインプットをミュージシャンもリスナーも増やすべき、といった発言を何処かで目にした記憶があるのですが、でも実際にサカナクションがやってることと言えば、ほぼアッパー寄りの BPM で統一された4つ打ちポップアンセム、野外フェスで客を盛り上げるための王道パターンをそのまま地で行くものではないかと。今回見たライブもエンタメに徹した和太鼓コラボ以外に目新しい点ははっきり言って皆無だったし、このバンドは一体何処に行きたいのか?という。フロアの画一状態を作り上げているのはあなた方自身では、という疑問が拭い切れなくて、もうレディへ地蔵の蔑みを受けても致し方ないレベルの棒立ち状態でした。一言で言えば飽きた。


Radiohead @ OCEAN STAGE

フジロック以来4年ぶりのレディへ。今日は半分以上彼らのためだけに来たようなもんです。しかもガッツリ120分フルセットだし。

彼らのいつものスタイルとして、各メンバーがマルチプレイヤーであり、曲が変わるたびにスタッフを総動員して使用する楽器を目まぐるしく変えるということ。楽曲の世界観を120%再現するためには、その全てに必然性がある。サウンドの密度をスタジオテイク以上に濃密なものとし、会場に何万人いようが大きな口を開けてその全てを飲み込んでしまう、それほどのダークな緊張感を彼らは生み出してしまう。序盤では「A Moon Shaped Pool」の楽曲を立て続けに披露。ゆらりと音が立ち昇っては複雑に絡み合い、やがて大きな一つの渦となって、最後の小節に向かって広がりを増していく。これ見よがしのカタルシスではない、オーディエンスの神経を根っこから震え上がらせる楽曲群。これだけアート寄りの実験性を取り入れていても大型フェスのヘッドライナーに相応しい風格を漂わせるのだから、やはり彼らは別格だと言わざるを得ない。

中盤からはキラーチューン「2+2=5」を皮切りに、過去のアルバムからも掻い摘んで選曲。昔の楽曲の方がポップというのも凄い話ですが、それでも「Airbag」や「Pyramid Song」など、新譜の雰囲気にマッチする楽曲がチョイスされ、程良く緩急をつけながら全体の流れを決して殺さない、今現在のモードが終始貫かれていました。「Everything in Its Right Place」は音源よりも少しばかりエッジの立った音で、このバンド独特の神経症的な毒っぽさが強調されてるように感じられたし、本編ラスト「There There」での会場全体に響き渡るコーラス、その圧倒的なことよ。いちいち引き合いに出すのもアレだけど先のサカナで感じたフラストレーションが物の見事に瓦解していった。受け手は様々な解釈、様々な反応を許されてるけど、最終的に意識が向かう先は同じ。本当の意味での一体感ってこういうことでしょ。アホみたいにブンブン手振ってれば良いってもんじゃないんだよ。言いすぎましたすみません。

そしてレア曲への期待が弥増すアンコール、まずは「Exit Music (for a Film)」。Thom Yorke が力なくアコギを鳴らしながら、ゆらりと歌が始まった時は思わず息を飲んだ。底知れない悲しみと失望を湛えた歌が、やがて祈りのような力強さを帯びていく。遠くの別ステージの音が入り込んでくるほどに静まり返った数万人のオーディエンス。こんな劇的な場面にはそうそう出くわせるものではない。そこから泥臭い歪みの効いたロックンロール「Bodysnatchers」へ雪崩れ込む時の高揚感もまた格別のものだった。そしてラストは「Karma Police」の大合唱で締め。どれだけ音源が頭に入っていてもその上を軽々と飛び越えてくるパフォーマンスの連続で大満足でした。だから東京だけ「Let Down」「Creep」「Street Spirit (Fade Out)」やってたって文句言いません。ほんとだよ。


ということでレディへだけでも十分元の取れる初日でした。まあその後の帰路の惨状に関しては、すでにあちこちから怒りの声が飛び出してることかと思います。ライブが終わってから全く寄り道してないのにコスモスクエア駅に着くまでに2時間以上かかったからね。俺はギリギリ終電で帰れたけどアウトだった人は本当に気の毒。なんで大阪のサマソニ年を重ねるごとにショボくなってしまうん?もういっそ東京だけでやってくれてもいいんだけど、それだとチケット取れなくなるか。何にせよもうちょっと考えてくださいクリマン