GEZAN「NEVER END ROLL」
- アーティスト: GEZAN
- 出版社/メーカー: 十三月の甲虫
- 発売日: 2016/09/22
- メディア: CD
- この商品を含むブログを見る
青春パンク。「天国で活動してるパンクバンドの GIG をラジオの電波が拾ってしまった」というのがコンセプトとのことですが、それにしてもここまで爽快に突き抜けるとは思わなかった。ドラムを務めていたシャーク安江の脱退が決まり、バンドとしてひとつの岐路に立たされていた彼ら。ここにはロックンロールに生きるバンドマンとしての正しい生き様を貫き通す、暑苦しいロマンチシズムばかりが刻まれています。刹那的な衝動に全てを投じ、世界に対して闇雲に中指を突き立て、時にはノスタルジックな情景が脳裏をよぎり、泥だらけになりながら坂道を転げ落ちていく。きっといつかは終わりが来ることを知っている、それでも終わりは来ないと叫ぶ、何とも感傷的な歌ばかり。クローザー「END ROLL」の歌詞の中には「この四人で最後に鳴らす音/そのコードをきっとぼくは間違えるだろう」とあります。ロックバンドは未完成であることが完成形なのだと。そしてアルバム表題にはさらに「NEVER」が付く。仲間との別離と続けていくための決意。これが青春でなくて一体なんなのか。ドキュメンタリーのような特異な生々しさを持ったアルバム。
Rating: 7.4/10