GEZAN「NEVER END ROLL」

NEVER END ROLL

NEVER END ROLL

2007年結成の4人組による、2年7ヶ月ぶり3作目。


青春パンク。「天国で活動してるパンクバンドの GIG をラジオの電波が拾ってしまった」というのがコンセプトとのことですが、それにしてもここまで爽快に突き抜けるとは思わなかった。ドラムを務めていたシャーク安江の脱退が決まり、バンドとしてひとつの岐路に立たされていた彼ら。ここにはロックンロールに生きるバンドマンとしての正しい生き様を貫き通す、暑苦しいロマンチシズムばかりが刻まれています。刹那的な衝動に全てを投じ、世界に対して闇雲に中指を突き立て、時にはノスタルジックな情景が脳裏をよぎり、泥だらけになりながら坂道を転げ落ちていく。きっといつかは終わりが来ることを知っている、それでも終わりは来ないと叫ぶ、何とも感傷的な歌ばかり。クローザー「END ROLL」の歌詞の中には「この四人で最後に鳴らす音/そのコードをきっとぼくは間違えるだろう」とあります。ロックバンドは未完成であることが完成形なのだと。そしてアルバム表題にはさらに「NEVER」が付く。仲間との別離と続けていくための決意。これが青春でなくて一体なんなのか。ドキュメンタリーのような特異な生々しさを持ったアルバム。

Rating: 7.4/10



GEZAN / blue hour(album ver)MV