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BUCK-TICK「アトム 未来派 No.9」

2年3ヶ月ぶりとなる20作目。


アルバム表題からは「極東 I LOVE YOU」のようなポリティカルな内容になるのかと予想していたのですが、実際の中身はもっと様々な時期の B-T の実験要素が混濁し、集大成のようでいて以前とはまた一味違う手触り。軽快なロックンロールが主体ながらエレクトロニックな装飾が多く、ノイズも随所に交えたサウンドは無機質で冷たい印象を残し、歌詞の方はいつも以上に不可解でシュールな表現が目立つ。まるでサバトのような禍々しい空気感が充満した「cum uh sol nu -フラスコの別種-」、かつての「Baby, I want you」を彷彿とさせつつさらに言語感覚のブッ飛んだ「美 NEO Universe」、ヤケクソ気味のはっちゃけ感が何だか微笑ましい「THE SEASIDE STORY」「FUTURE SONG -未来が通る-」など、相変わらずの肉感的な生と死を描きながら、哲学的なモチーフだったり奇妙な修辞をふんだんに用いて聴き手を翻弄してくる。それまでの毒気が強烈なだけに、ラストで唐突に現れる「NEW WORLD」のポジティブさには思わず面食らいますね。アルバム全体としては少し緩急を纏め損なっている気もしますが、B-T ならではのテイストを十分に堪能できる内容かと思います。

Rating: 7.7/10



BUCK-TICK-2016年9月21日発売「New World」Music Video+初回特典映像ダイジェストトレイラー