fripSide「infinite synthesis 3」

約2年ぶりとなる4作目。


聴く前から予想はしてたけど今回もやっぱり同じでした。90年代エイベックスマナーと現代のヒロイックアニソンの融合。上モノシンセもビートもとにかくギラギラしていて圧が強く、メロディはラスサビで転調したらもう歌いながら窒息しそうな勢い。聴いてるだけで頭が悪くなりそうなサイバートランスの雨霰です。ただ今回は全体的にディストーションギターの比重が高く取り入れられていて、「magicaride」なんかはトランスを逸脱して完全にロックナンバーと化していたり、少しばかり横道に逸れた楽曲もあるにはある。それでもまあ楽曲全体から受ける印象はトランス曲とほとんど違わないんですけどね。個人的に南條愛乃のヴォーカルには特別な魅力があると思っていて、テンションが比較的一定で少しばかり表情が見えづらい所はあるのだけど、微かに揺れを感じさせる繊細な歌声と相まって、その一定さが逆にミステリアスな魅力へと転じているような気がするのですね。今回の fripSide の新作では正直手クセ全開の楽曲も多く、彼女の歌の魅力を引き出しているとは言いづらい。でも南條ソロの方は少し薄味で素っ気なさすぎる気もするし、難しい所だなー。

Rating: 5.5/10



【fripSide】4th ALBUM「infinite synthesis 3」特典ライブ映像(試聴用ダイジェスト版)