Meshuggah「The Violent Sleep of Reason」
- アーティスト: MESHUGGAH
- 出版社/メーカー: NUCLE
- 発売日: 2016/10/07
- メディア: CD
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相変わらずのバカみたいなえげつなさです。鋭さと重さを極限まで突き詰めたヘヴィギター、そして変拍子/シンコペーション/ポリリズム満載すぎてもはや普通の拍子ですら変拍子に聴こえてくる奇怪極まりないリズム。オープナー「Clockworks」から堰を切って雪崩れ込んでくる禍々しい音の塊が、聴き手の思考の一切を洗い流していくよう。以前はインダストリアル的とも言えるアンサンブルの理知的な正確さが全体の音をさらにヘヴィな印象にしていましたが、今回は比較的ロックンロール的なラフさが感じられる場面が多い。もちろん他のロックンロールバンドと比べればキメの嵐でガッチリ過ぎるほどガッチリなのですが、その中でも若干前のめりのグルーヴ感が加味されているように感じます。その濃密さは後半になると更なるレッドゾーンへ突入。不意に幻惑的なアンビエントへと変貌する「Stifled」から「Nostrum」での地獄のアグレッションへと繋がる構成にはゾクゾクさせられたし、ギッチギチの歪みでアルバム中最高の極悪度を発揮する「Into Decay」に至っては聴いてるだけで脳死しそうになる。未だ衰えを知らない化物の存在感よ。
Rating: 8.2/10