Run the Jewels「Run the Jewels 3」
- アーティスト: Run the Jewels
- 出版社/メーカー: Run the Jewels, Inc
- 発売日: 2017/01/13
- メディア: CD
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まずアートワークが面白い。彼らの作品には一貫して向かい合わせの拳がフィーチャーされていますが、無骨で粗削りな作風が生々しい迫力を発揮していた1作目、そこから緊張感あるアグレッションと洗練されたアレンジを両立して助長させた2作目、といった具合に微妙な内容の変化がジャケットとリンクしており、それは拳が純金と化したこの3作目でも同様。すなわち今作はチャート上位を勝ち取ってもおかしくないキャッチーさと、決してセルアウトには寄らないどっしりとした貫禄、凄味を見せつけてるということです。前半ではトラップ主体のグルーヴに乗せて2人のラップが聴き手を強烈にアジテートする、そのスムーズかつ濃密な楽曲の連打には否応なく身体を持って行かれるし、後半に入っては時に物悲しさすら孕んでくるダークな雰囲気の中で、互いの思想や生き様、2人の絆などを真摯に吐露する、その歌詞のへヴィネスに意識をグッと惹き付けられる。リードトラック「Talk to Me」の中で彼らはこう宣告しています。「RTJ1 でも RTJ2 でも俺を信じねえようなら RTJ3 だ」と。ガチガチの正攻法でヒップホップを更新しようとする、その説得力たるや。
Rating: 8.5/10