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唾奇 × Sweet William「Jasmine」

Jasmine

Jasmine

沖縄出身のラッパーと愛知出身のトラックメイカーによるコラボ作。


燻らす紫煙のように浮かび上がるサックスやピアノの音色。先日の焚巻の新作と同様に Sweet William の作るトラックもジャズを大幅に取り入れていますが、こちらはクラブジャズのスマートさよりも、元来ジャズが持ち合わせていたであろう深く濃密な雰囲気が立ち込め、静けさを湛えながら内側にはキナ臭い熱さを感じさせるもの。古ぼけたジャズの演奏にビートの歪なグルーヴ感が絡まり、例えば Prefuse 73 などにも通じる、前衛的かつクールな感触がチクチクと心地良い刺激を与える。そこに乗る唾奇のラップは気怠そうでありながら挑発的、かと思えば不意にリリカルな描写やエモーションの発露も見られたりと、一定のテンションの中で多彩な表情を見せる。テキトーなようで刺す所では刺す、丁度いい温度感がトラックのムードとも絶妙にマッチしています。特に耳を惹くのは女性シンガー kiki vivi lily をフィーチャーした「Good Enough」。清涼感の中にそこはかとないセクシーさも香り、ラウンジポップな要素まで取り入れた佳曲です。若手らしからぬ成熟したセンスと、曲を紡ぐその手つきの自由さ、挑戦的でしたたかな姿勢に痺れさせられる。

Rating: 7.9/10



唾奇 × Sweet William / Good Enough feat. kiki vivi lily