Paramore「After Laughter」

After Laughter

After Laughter

約4年ぶりとなる5作目。


デビュー時のエモ/ポップパンクから徐々にスタイルを移行させ、今作ではいよいよ本格的にダンスポップへと変貌を遂げています。前作「Paramore」でもポップ化の兆候は十分にあったし、ヴォーカル Hayley Williams は Zedd の楽曲にも客演を果たしてたりで、エレクトロ方面への意識が高まったのは彼女らにとって自然なことだったのでしょう。しかしながら中心を占めるメロディの質だけは以前からほどんど変わっていません。Hayley の艶も張りもあるヴォーカルを存分に生かした、痛快なまでにキャッチーなキラーチューンの連打。この抜けの良いメロディーセンスとエレクトロとの相性は抜群に良く、ここに生の質感の残されたファンキーなビートやキッチュな響きのシンセが重なると、結果的に Cyndi Lauper など80年代チャートソングを彷彿とさせるものに。まるでここに来るのが必然だったかのような座りの良さで、新たな Paramore 像を確立しています。ただ歌詞には意外とネガティブな心の内を曝した部分が多かったり、アコースティックな「26」や混沌とした音像の「No Friend」など、生々しさを完全には失っていないのもミソ。チャレンジを結実させた好盤です。

Rating: 8.0/10



Paramore: Hard Times [OFFICIAL VIDEO]