Ex Eye 「Ex Eye」

EX EYE

EX EYE

サックス奏者 Colin Stetson を中心とする4人組のデビュー作。


ドラマーには Greg Fox(Liturgy)が参加しており、「メタル」がひとつのキーワードとして存在するこの新バンド。メタルとジャズの融合と言われてすぐに思い出すのはノルウェーの Shining なのですが、あちらがプログレやインダストリアルも取り入れた硬質でマッチョな作風だったのに対し、こちらはブラックメタル、フリージャズ、ポストロック、ドローン/アンビエントといった雑多な要素を貪欲に吸収した、よりアブストラクトで実験的な色合いの強い内容になっています。メタルとは言いつつも物理的にヘヴィな音圧を発しているのはドラムのみ。しかしながら苛烈極まりないブラストビートの中で、叙情的なフレーズを浮かび上がらせるギター、淫靡かつワイルドな存在感を発揮するサックスの音色、さらには音の間隙を埋め尽くすハーシュノイズも絡み合い、実際のヘヴィネス以上にヘヴィな、荘厳で濃密な空気を膨張させています。オープナー「Xenolith; The Anvil」以外は10分前後の長尺曲ばかり。いずれの曲においても、終わりの一点に向かって途方もないエナジーの収斂と発散が繰り返される、その宇宙的アンサンブルにただただ圧倒される。

Rating: 8.2/10



EX EYE - "Xenolith; The Anvil" (Official Music Video)