Mutemath 「Play Dead」
- アーティスト: MUTEMATH
- 出版社/メーカー: WOJTEK
- 発売日: 2017/09/08
- メディア: CD
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今年に入ってからメンバー脱退が相次ぎ、オリジナルメンバーがヴォーカルの Paul Meany のみとなっていた彼ら。ただおそらく Paul の思想こそがバンドの音楽性の鍵を握っていたのでしょう、今作では従来のミュートマスらしい個性がさらに濃密に、かつチャレンジングな形で発揮されています。ファンク、ソウル、R&B といったブラックミュージックをオルタナティブロックの体内へと咀嚼した、非常にタフなアンサンブル。グッとタメの効いた16ビートのグルーヴを執拗とも言えるくらいに持続させ、柔らかく朗々としたヴォーカルが楽曲の印象を一層力強くオープンなものにしてる。なおかつ今回はシンセの比重がかなり高まり、エレクトロニカもしくはサイケ/スペースロックとも言える空間的、重層的なプロダクションが強調されています。時には歌声をすっかり覆い込むように浮遊感のあるサウンドが前面に出たり、手練れた演奏のバランスを敢えて解体する勢いの歪さを見せてくる。それは Muse や Coldplay とはまた異なる形で Radiohead の遺伝子が開花したような印象もあったり。ミュートマス健在をアピールする聴き応えモリモリの10曲51分。
Rating: 8.3/10