Four Tet 「New Energy」

ニュー・エナジー

ニュー・エナジー


ロンドン出身、 Kieran Hebden によるソロユニットの2年2ヶ月ぶり9作目。


前作「Morning/Evening」は2曲40分という極端に振り切れた作品でしたが、今作はちょうど反動のように、Four Tet のカタログの中でも特に取っつきやすい内容に仕上がっています。雅やかな弦の音色がミステリアスな空気を醸し出す「Two Thousand and Seventeen」や、子供のヴォイスサンプルが牧歌的な多幸感を生み出す「Daughter」では初期のフォークトロニカ路線を再提示。その一方で「There is Love in You」以降のダンスプロパーな作風を踏襲したた4つ打ちハウス/トランス曲の「Lush」「Planet」などがアルバムの中でハイライトの位置に据えられており、言わば彼のこれまでの全キャリアを総括したような楽曲群。しかしながらいかにも集大成といった重厚さはあまりなく、そのノスタルジックな暖かみと軽やかな風通しの良さからは、過去を踏まえつつあくまで新しいサウンドスケープを生み出していくというポジティブな広がりを第一に感じます。アンビエントの静謐とミニマルの恍惚、そしてポストロック由来のカタルシスも織り交ぜた、正しく Four Tet 印と言えるインストポップ集。現在においても彼は新鮮な異種であることをここで証明しています。

Rating: 8.1/10


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