筋肉少女帯 「Future!」

2年ぶりとなる18作目。


アルバム表題はもちろん歌詞のあちこちにもタームが頻出するように、今回のテーマは「未来」。「オーケントレイン」「ディオネア・フューチャー」では過去を振り切って未来に進めと聴き手を力強く鼓舞し、「サイコキラーズ・ラブ」では猟奇犯にも、「3歳の花嫁」では死期の迫った父親にも未来は在ると歌う。ともかく幸せを手にするためには未来に向かって走り抜けという、実に熱い訓示をオーケン独自のコミカルな筆致で描いた一大コンセプトアルバム…と言うと随分真っ当な内容のように見えますが、音的には復活後の中では最も変なアルバム。多分ウッチーが完全に 70's プログレな「エニグマ」やら完全にナゴムな「告白」やらといった、本当に変な曲ばかり書いてるのが一番の原因な気が。その一方でおいちゃんやふーみんの書く曲も各々の得意分野に完全に特化しており、それらが前/中/後に局在してるので彼らの方向性のバラバラっぷりが一層際立つ。テーマが真面目になるほどヘンテコな作品になってしまうという彼らの業たるや。でも筋少ってこういうバンドなんですよね。ある意味彼らの持ち味が濃い形で表れた、頼もしさ溢れる一発。

Rating: 7.9/10



筋肉少女帯「エニグマ」MV  (2017年10月25日発売AL『Future!』収録)