清春 「夜、カルメンの詩集」

夜、カルメンの詩集(初回盤)

夜、カルメンの詩集(初回盤)

約2年ぶりとなるソロ9作目。


今回のテーマは「スパニッシュ」ということで、フラメンコギター奏者を迎えてアルバム全編にラテン要素を導入。ただそれは決して突発的、実験的な試みというわけではなく、昨年に年間通して行われたライブシリーズ「エレジー」しかり同名のアルバムしかり、近年の彼がアコースティックの編成に特に力を入れていることを考えれば自然な流れと言えるかと思います。そしてその化学反応は見事に成果を上げており、ハスキーかつ甘いハイトーンで深く情感を込めて歌い上げる清春の魅力を大きく膨れ上がらせています。ストレートにラテン要素が現れた「悲歌」から、力強くボトムを支えるリズム隊が情熱を一層引き立てる「赤の永遠」、かつての「EMILY」を彷彿とさせるファンクロックの躍動感も加味された「眠れる天使」、ドラマチックな悲愴に満ちたストリングスが狂おしく響く「TWILIGHT」など、ラテンを主軸としつつ楽曲毎に微妙に異なる趣向を凝らしており、トータリティを確保しながらも彩りは豊か。清春ならではのブルージーな湿り気を帯びたメロディと歌、その世界観がここに来て更なる深みへと到達したことを雄弁に告げる充実作です。

Rating: 8.4/10



清春「夜、カルメンの詩集」スペシャルティザー