The Damned 「Evil Spirits」

EVIL SPIRITS

EVIL SPIRITS

9年半ぶりとなる11作目。


昨年の話になりますが、サウンドトラックが音楽ファンの間でも話題になっていた映画「ベイビー・ドライバー」を自分も見まして、そこでの強盗シーンで使われていた The Damned「Neat Neat Neat」があまりにも絵面にハマり過ぎていて笑ってしまったことがあって、やっぱり地獄に落ちた野郎どもは最高やな!ってなりましたよね。ただ彼らはもちろん「Neat Neat Neat」に代表されるロンドンパンクのオリジネイターのひとつでありつつ、80年代に入ってからはゴシックホラーの世界観に身を投じてパンクの新たな可能性を模索していたわけで、この久しぶりの新作でも彼らはそのゴス路線を踏襲しています。冒頭を飾る「Standing on the Edge of Tomorrow」からして掴みはバッチリ。ダークな中に淫靡さを匂わせるムード、シアトリカルな装飾にシンガロングパートも盛り込み、御年60を過ぎた Dave Vanian の苦み走った歌声がまたゴス調に深みを与える。さらにはプロデューサーが往年の T.RexDavid Bowie の名作を手掛けてきた Tony Visconti 。ゴスとパンクとグラムの夢のコラボときたもんだ。タイトに纏まった10曲43分にはロックンロールのロマンが詰まってる。

Rating: 7.6/10



The Damned - Standing On The Edge Of Tomorrow