ENDON 「BOY MEETS GIRL」

BOY MEETS GIRL

BOY MEETS GIRL

2007年結成の5人組による、1年半ぶり3作目。


これまたえげつない音であることよ。前作「THROUGH THE MIRROR」ではデスメタルあるいはグラインドコアの攻撃性に狂気的なノイズを被せて独自の音像を確立していましたが、今作ではもっとオーセンティックな HR/HM に寄ることでロックバンド本来のタフな肉体性が表れているように感じます。リズム隊は直線的な速度で迫り来るのではなく、70年代風のルーズなグルーヴで土臭くワイルドな熱量を発散し、またギチギチに歪み切ったギターのリフワークもより明確に伝わる作り。特に「Heart Shaped Brain」や「Final Acting Out」などで見られるドライブ感はロックンロールが元来持ち合わせている魅力そのもので、彼らが真っ当にロックバンドの体を成しているということに一周回って驚かされる。まあ真っ当とは言ってもヒステリックな極悪ノイズは相変わらずてんこ盛りだし、唯一の長尺曲「Doubts As a Source」では嗚咽と破壊音がカオティックに混ざり合って彼らの露悪的な変態性を目一杯に浴びせられるしで、やはり単純にロックと呼ぶにはあまりにも奇形過ぎるのですが。回帰と先進を同時に果たして見せた、その力業に圧倒される。

Rating: 8.1/10



ENDON 【 BOY MEETS GIRL】