PELICAN FANCLUB 「Boys just want to be culture」

Boys just want to be culture

Boys just want to be culture

2012年結成の3人組による、ミニアルバムとしては約2年半ぶり4作目。


今年の4月にギタリストが脱退し、敢えてメンバー補充はせずにスリーピースのままで活動を継続している彼ら。欧米のインディ/オルタナティブロック、あるいはシューゲイザーやドリームポップからの影響が色濃い彼らにとって、ギターの本数を減らすということは結構な痛手であるように思うのですが、先日見た MINAMI WHEEL での演奏、そしてこの音源を聴く限りでは心配は無用という感じで一安心でした。基本的にはこれまでの路線と同じく、先述の音楽性と J-POP に根差した牧歌的なポップネス、そして繊細ゆえの残酷さを孕んだ歌詞世界が織り成す、豊かな美しさを映したギターロック。多少はギターを重ねている場面もありますが、基本的にはスリーピースのシンプルさを大切にした風通しの良いアレンジ。そして時にはエフェクターを駆使し、3人の枠を飛び越える勢いのカラフルさを見せる。耽美的な透明感にゾクリとさせられる「ハイネ」、曲調は真逆ながらどちらにも今の時代ならではのナイーブさが反映された「ハッキング・ハックイーン」「ヴァーチャルガールフレンド」など、状況の変化に囚われず真っ当な前進を示した8曲。

Rating: 7.9/10



PELICAN FANCLUB 『Telepath Telepath』Music Video