King Gnu 「Sympa」
- アーティスト: King Gnu
- 出版社/メーカー: アリオラジャパン
- 発売日: 2019/01/16
- メディア: CD
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前作を聴いた時にも思いましたが、芸大出身の性なのか、極めてアカデミックで隙のない作りなのですよね。彼ら自身が称する「トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイル」とは昨今の Suchmos に通じるところも多い、ファンクやヒップホップの要素を下敷きに、エレクトロニックな音響面の先鋭性と人力のタフなグルーヴを両立した、2019年現在の時代に則したロックを演るならこれだろう、という決定打のような音楽性。それが今作ではオーケストレーションの惜しみない導入であったり、R&B 由来の情感たっぷりな歌心も全面に打ち出し、メジャー一発目ならではの絢爛さを纏った、エンターテインメント性に満ちたポップネスで一層インパクトを強めています。それでいて歌詞の中では孤独や矛盾を孕み、心の弱さを露わにしながら今を生きるための力を欲しているのだから、もはや Suchmos 通り越して Mr. Children ばりの饒舌さ。このサウンド/ヴォーカル共に過剰なまでの自信を発しながらナイーブな歌詞/メロディを歌うという二律背反について、まあ完成度が高いのは確かですが、狙い過ぎて嫌味に感じると言うか、イキりの圧の強さに引いちゃいますよね。
Rating: 6.1/10