Bring Me the Horizon 「amo」

AMO

AMO

英国シェフィールド出身の5人組による、3年4ヶ月ぶり6作目。


12曲目「heavy metal」の歌詞中で彼らはこう宣言しています。古参のファンが今作を聴いて「こんなのヘヴィメタルじゃない!」と言うのなら、それで一向に構いませんと。昨今のロック/メタルシーンがあまりにも閉塞的、保守的すぎると彼らなりの問題意識を強く持った結果、前作「That's the Spirit」以上にシンセサウンドやシンガロングメロディを盛り込み、大胆にポップ路線へと寄せてきた今作。Grimes 参加の享楽的なトランスナンバー「nihilist blues」、スウィートな美しさを見せる R&B ポップス「mother tongue」などはその変化の最たるものだし、ヘヴィなギターもそれなりに鳴ってはいるものの、他の打ち込みと同等かそれ未満の比率。それらの楽曲から自らが先陣を切ってシーンに風穴を空けていこうという気概は十分伝わるし、ある種の必要悪であろうとするが故の痛みも重々理解していることでしょう。ただこの健康的なポップ化が本来の武器であったヘヴィネスに取って代わる魅力かと言うと個人的にはかなり首を傾げてしまうし、目的に囚われすぎてロックバンドとしての矜持まで捻じ曲げてはいないか、今の時代そこまでせねばならんのかという寂しさも。

Rating: 5.2/10



Bring Me The Horizon - medicine (Official Video)