NUMBER GIRL 「感電の記憶」

2002年の日比谷野音公演を収めたライブアルバム。


「記憶探しの旅ばかり/しかしいつしかそれは妄想に変わっていく」とはよく言ったもので、自分はこの「記憶」と冠せられたアルバムを聴きながら、2週間後の RSR が果たしてどのような内容になるか、ただひたすらに思いを馳せています。異様なほどジャキジャキに研ぎ澄まされたアンサンブルの中低音がくっきりと収められており、「シブヤ」「サッポロ」「記録シリーズ」といったこれまでのライブ盤と比較して、音質的には一番かもしれません。なおかつ現在までの向井秀徳のキャリアを見返しても、特に急進的な変化の最中だったと言える「NUM-HEAVYMETALLIC」ツアー期なだけあって、メンバー間に走る緊張感、テンションの高さが直接皮膚にまで突き刺さってくるようで、その生々しい迫力に思わず背筋がゾクゾクする。緩急の切り替えがより極端につけられた「SASU-YOU」や「BRUTAL MAN」、また当時の新曲「FIGHT FIGHT」ですらもサビがダンサブルに改良されていたり、この頃の彼らがいかに生き急いでいたかが手に取るように分かるセットリスト。当然ながら復活後の彼らはここからさらに変化しているでしょう。2週間後の妄想が止まらない。

Rating: 8.8/10