BAROQUE 「PUER ET PUELLA」

PUER ET PUELLA

PUER ET PUELLA

約4年ぶりとなるフルレンス4作目。


先日のギタリスト圭のソロ作「4 deus.」はこのアルバムの予告編的な位置付けだったのだなと、今作を聴いた後に実感しました。アレンジ面ではシューゲイザー、ポストロック、エレクトロニカアンビエントといった音響重視の要素を踏まえつつ、メロディはさらに突き抜けた壮大な広がりを見せ、ギターは長い尺を取って感情の赴くままにソロを展開。表題曲「PUER ET PUELLA」での厳かに圧し掛かる聖性、そこから「STARRY BOY」では L'Arc-en-Ciel 直系の鮮烈なポップネスを纏って走り抜け、「SKY FITS HEAVEN」では重心を低く構えたハードロックグルーヴで攻める。前作「PLANETARY SECRET」で見せていた小宇宙的サウンドスケープが縦にも横にも拡張され、更なる重厚さ、説得力を持った形で提示されています。ここ数年のシングル曲全てが全く違和感のない流れに組み込まれているのを見ても、紆余曲折を経てきた音楽性を前作で固定し、そこから焦ることなく丹念に、慎重に進化を目指してアルバムを作ってきたということがひしひしと伝わってくる。これだけ確固たる世界観の構築に成功したのだから、ジャンル問わず広まってくれることを願います。

Rating: 8.2/10



BAROQUE-NEW ALBUM『PUER ET PUELLA』(2019/7/30 Release) より 「PUER ET PUELLA」