Battles 「Juice B Crypts」

ニューヨーク出身の2人組による、約4年ぶり4作目。


いつの間にかギタリスト Dave Konopka が脱退してしまって、しかしその反動によってか、今作を聴く限りでは残留メンバーの頭のネジはさらに数本吹っ飛んでいるように見えます。作品を重ねる毎にシンセサウンドはソリッドな太さを持ち、アレンジの構築はどんどんキッチュなものと化しているのが、ここでさらに最高値を更新。オープナー「Ambulance」で未開の地の祭囃子のような祝祭感と直線的なスピード感が、「They Played It Twice」ではゴージャスに開ける R&B の華やかさが、「Titanium 2 Step」ではファンクロックの波打つ肉体性が、「IZM」ではヒップホップのキナ臭く鋭利なクールネスが、全て例外なく素っ頓狂なシンセの積み重ねによって複雑骨折させられており、他ジャンルとのクロスオーバーという綺麗な表現では間に合わない、悪ふざけスレスレの大胆不敵な汚しっぷりが目立つ。しかしながら上モノのやけにカラフルな質感であったり、John Stanier のドラムに由来する骨格の強さも奏功して、実験的でありながらひどく愉快痛快なキャッチーさも持ち併せてるという。こりゃポストロック、ポストハードコアと言うよりもポストポップなのでは?

Rating: 7.6/10



Battles - Titanium 2 Step ft. Sal Principato