筋肉少女帯 「LOVE」

LOVE (初回限定盤)

LOVE (初回限定盤)

1年ぶりとなる20作目。


まずアルバムタイトルが良いと思った。単刀直入にラヴ。そしてオーケンの小説「ステーシー」の表紙から流用した、可愛らしくも猟奇的なイラスト。下手すれば「キラキラと輝くもの」以上の強烈な胡散臭さに思わずグッとくる。でも冒頭の「愛は陽炎」はロマンチックな悲愴を湛えた内容で、胡散臭さよりも真っ当な格好良さの方が上。初っ端にこういうスピードメタルを据えるというのも今までにありそうでなかったように思うし、何だか二重三重に煙に巻かれてる気がしてくる。他だとサビパートでドヤ顔しながら振りを付けるオーケンが微笑ましい「ボーン・イン・うぐいす谷」、曲名も最高だし歌詞のトんでる感も最高な「直撃カマキリ拳!人間爆発」、思いっきり昭和ムード歌謡なところに無理矢理メタルをくっつけたら新種の Queen みたいな様相になった「喝采よ!喝采よ!」あたり…どうもネタっぽい部分ばかりが目に付いてるな。数えてみたら今作は活動再開後としては8作目で、凍結前の8作目と言えば「UFOと恋人」じゃないですか。偶然だか分からないけど今作も「UFO」の時みたいな多方面に手を伸ばした故のB級感が強くて、ああ、これこそ筋少だなって。

Rating: 7.5/10



筋肉少女帯「ボーン・イン・うぐいす谷」MV  (11/6発売 AL『LOVE』収録) [Born In Uguisudani]