skillkills 「CHUNK」
- アーティスト:skillkills
- 発売日: 2020/02/26
- メディア: CD
ますます軟体生物じみてきたと言うか、良い意味で捉え所の無さや気色の悪さに磨きがかかっています。まず強烈なのはやはりリズム隊。16分、32分の打点のズレを意図的に盛り込み、つんのめったりもたったりを執拗に繰り返す歪なグルーヴ感は、ともすれば音源データが支障をきたしているのではと錯覚する勢い。そして上モノのシンセ類は以前よりも音数が絞り込まれてタイトな印象に、しかしいずれの音も違和感ばかりを聴き手に植え付ける飛び道具的な使い方ばかり。総じて何とも挑戦的であり、なおかつ至って力の抜けた様子がやたらとシュールで笑いすら引き起こさせる。中でもリードトラック「Delicacy」は特に飄々としていて良いですね。ゲストの鎮座DOPENESS は至ってシラフの状態なのか、むしろキマり果てた末の極致に佇んでいるのか、アガるともサガるともしない独特のテンションで繋ぐフロウは、終始酩酊しっ放しのようなバンドの演奏と相性バッチリ。前作での向井秀徳や K-BOMB といい、彼らはこうした適材起用のセンスもさすが鋭いなと。ヒップホップマナーの遵守とマナーからの逸脱を同時に目指す修練の成果。
Rating: 7.4/10