SWIM SWEET UNDER SHALLOW 「oderon」

oderon [CARP-013]

oderon [CARP-013]

2011年デビューの2人組による、3年4ヶ月ぶり5作目。


インタビューの中ではスーパーカーMy Bloody Valentine の名前が挙がっていたので、すっかりシューゲイザー/ドリームポップ方面のバンドという先入観があったのですが、彼らの音楽を聴く上ではあまり必要な情報ではなかったかもしれません。と言うのも、確かにギターの音響処理やヴォーカルの温度感などにはシューゲイザーの要素が感じられる、けれどもあくまで "感じられる" 程度の風味付けのようなもの。サウンドデザインの音響性に拘りつつも、基本的には歌とメロディがはっきりした輪郭を持って中心に立ち、あくまでも真っ当な歌モノを目指すという意思がどの曲からも確かに伝わってきます。ただ、涼やかで聴き心地の良いメロディセンスには魅力を感じるものの、インディバンドのポップスとして良くも悪くもコンパクトに纏まりすぎと言うか、実験性と大衆性のどちらにも突き抜けきれていない、ある種のもどかしさを覚えてしまうのも事実。彼らの音楽の背後に透けて見える先達、それこそスーパーカーであったり、初期の頃には Ride 歌謡とも評されていたスピッツ、それらとついつい比較してしまうのは酷な話だろうか。

Rating: 6.2/10



SWIM SWEET UNDER SHALLOW / water