downy 「第七作品集『無題』」

第七作品集『無題』

第七作品集『無題』

  • アーティスト:downy
  • 発売日: 2020/03/18
  • メディア: CD
2000年結成の5人組による、3年半ぶり7作目。


ギタリスト青木裕が逝去し、トラックメイカー SUNNOVA が正式加入。新体制への移行により楽曲にも少なからず変化が生じるだろうとは予測していましたが、結果的には downy というバンドの変わらない部分と変わった部分、その両方を今作で確認することができました。そもそも彼らはロックバンドでありながら所謂ロックバンドらしい抑揚を敢えて排除してきた節があり、特徴的なフレーズを黙々とループし、音のレイヤーを差し引きすることで展開を作っていく、言わばヒップホップ的な手法を楽曲制作の肝としていました。今作ではそのルールが少し崩れ、エモ/ハードコア由来の直情的な激しさと、より複雑に入り組んだプログレッシブな曲構成が目立ちます。元々エフェクティブなサウンドを多用していたところに SUNNOVA が加入して、エレクトロニックな要素は一層強まっているはず。にも拘らず、ループ感に囚われずにグネグネと自由かつ奇怪な広がりを見せているせいか、全体から受ける印象はひどく有機的でエモーショナル、何なら以前よりも真っ当にロック然としてきたようにも見えます。特にクローザー「stand alone」の壮絶さには思わず固唾を飲んだ。

Rating: 8.2/10



downy - 砂上、燃ユ。残像