MIYAVI 「Holy Nights」

大阪出身のシンガーソングライターによる、7ヶ月ぶり12作目。


2013年作「MIYAVI」以降はグローバルなポップシーンを見据えて EDM の要素を積極的に取り入れている彼ですが、その EDM と元来のギタリストとしての魅力をいかに折衷させるかという、そのバランスの調整をこれまでの作品で試行錯誤してきたことと思います。それが今作は EDM サイドへとさらに一歩踏み出し、ギタープレイはシンセサウンドと同等か、下手すればそれ以下の割合。果たして LDH への移籍がどれほど影響しているかは定かではないですが、もはやギタリストの枠にも囚われず、ひとりのシンガー、ポップスターたる姿を前面にアピールするに至っています。ただそのぶんエレクトロニクスはソリッドな圧を持ち、煌びやかでありつつタイトに引き締まった感もあって、衒いなくストレートに身体を突き上げてくる。それと同時に、今回は歌詞の心地良さが印象に残りました。余計な修辞を出来る限り削ぎ落とし、英語と日本語で固い韻をバシッと踏んでいく言葉の響きが、楽曲の持つオープンな力強さや縦ノリのグルーヴを一層加速させているように思います。あと絶妙なハマり具合の沢田研二矢沢永吉のカヴァーは、あの存在感を目指すという野心の表れか。

Rating: 7.4/10



MIYAVI「Bang!」Music Video