The Chemical Brothers 「We Are The Night」

WE ARE THE NIGHT

WE ARE THE NIGHT

「Push The Button」 から2年半ぶりの6作目。


実にケミカルらしい、というのが第一印象。といっても初期のロッキンビーツな頃より 「Surrender」 辺りに近いでしょうか。ポップでユーモラスな感触を残しつつ、クールネスの内側に潜む熱を徐々に放出していくクラブミュージック。どの曲でも明確なフレーズをフックとして仕掛けてる所は相変わらずの手腕といった感じですかね。でも今回は夜がテーマだからかいつもより抑揚抑え気味で、メロディは低熱なメロウさだったり、ビートも装飾控え目だったりで何処か淡々としたノリなんですが、そのぶんここぞという場面で不意を突く音の広がりにハッとすることも。 「Saturate」 「Do It Again」 なんかは特にそんな感じですね。また 「All Rights Reversed」 はヴォーカルを中心に据えてるせいか特にロック的で馴染みやすい。でもその盛り上がりに辿りつくまでの時間がちょっと辛いかなあ…。緊張感が長く続かずに眠くなってしまうことも多々。特に目新しい要素があるかと言われればそれも微妙だし。なので惹かれる瞬間はそれなりにあるものの、良くも悪くも無難に納まってるというのが率直な感想でした。


Rating: 6.6/10
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