FUJI ROCK FESTIVAL '07 2日目


行ってきました初めてのフジロック。初日は仕事の都合で行けず、2日目と3日目に参加しました。


俺ってばフェスと言えばサマソニCDJ (どっちも大阪なのでインテックス内に籠もりっきり) 、あとボロフェスタくらいしか行ったことがないもんだから、本格的な野外のフェスってこれが初だったんですけども、いやー疲れますね。カンカン照りだったり雨降ったりと天気が不安定、さらにステージ間が地味に遠い上に足場も悪いんで、ライブ以外の所で無駄に体力消耗する。人すげー多かったですし。人間と自然がほとんど 1:1 の割合だもん。 GREEN STAGE とか遠くから見てて笑えるくらい人の海。これで野外の開放感云々とか言われてもちと無理がありますよね。ボードウォークとか歩いてる以外は不便さの方ばかりが気になっちゃいました。その不便さを享受するっていう考え方も個人的にあまり受け入れられないので…。でも文句言いながら来年も普通に行ってそうな気がする俺は多分ドMです。


以下、見た順に感想とかを。


MONORAL @ RED MARQUEE
サポートを交えた5人編成。音源通りアメリカンな直球ロックンロールでした。ガッツリした厚みでもって明快にその音を叩きつけたり、中盤ではサイケな浮遊感を見せたり。ライブでもその勢いは削がれておらず、何処かしたたかな余裕も感じられるステージでした。 「Sparta」 「Tuesday」 「Visions in my head」 など新譜からの曲ばかりだったので個人的に馴染みやすく、ずっとノリノリの状態で見れました。でもヴィジュアル系っぽい格好してるからか、メンバーを呼ぶ声が女子ばかりというのが少し気になりますがね…。それはともかく、良かったと思います。


Panorama Steel Orchestra @ FIELD OF HEAVEN
初めて聴きました。開演前にズラーッと並んだスティールパンがすでに異様な雰囲気を醸してましたが、開演時間になると何十人ものメンバーがぞろぞろ登場してスティールパンの乱れ打ち。その勢いはトランシーでカオティックな所もありつつ、音自体は独特の丸みを帯びててえらく人懐っこいという。南国トロピカルなカーニバル状態というか、みんな笑顔で踊る阿呆に見る阿呆といった感じ。こういう世間の流行り廃りとは切り離された所にある民族的な音楽性、あとみんなで楽しもうという祝祭感覚も含めて、ある意味でフジロックを象徴するようなバンドだなーと。それに違和感を感じる人もいるでしょうけど、視覚的なインパクトが大きいというのもあって、なかなか面白く聴けました。


湯川潮音 @ FIELD OF HEAVEN
オレンジのドレスで登場。本人以外はギター、チェロ、ユーフォニウム (らしい) 、パーカッションという編成。柔らかく透き通った声で、伸び伸びとした歌声は聴いてて気持ちの良いものなんですが、 「天国に一番近い場所にやってきました」 とかって MC を聴くと、家で CD 聴いてるぶんには気にならなかった萌えムードがだんだん芳しくなってくる…と感じるのは俺だけでしょうか。どうも内省的な文系路線のアイドル (いるのかそんなの) のコンサートに来てるみたいな気になって居心地悪くなってきたので、一番期待してた 「ツバメの唄」 (これも歌と演奏が微妙にかみ合ってない気がした) が聴けた所で途中退出。


!!! (chk chk chk) @ GREEN STAGE
うはー、ヴォーカル気持ち悪い (笑) 。マッチョな身体に半ズボンで、ずっとヒゲダンスのポーズでブンブン踊ってんの。その濃ゆいパフォーマンス見れただけでも OK なんですが、演奏ももちろん良かった。 「Myth Takes」 で様子を窺うように始まり、次の 「All My Heroes Are Weirdos」 の一点突破的な破壊力が凄かった。チャカポコと跳ねるツインドラムにノイジーな唸りを上げるギター、ヤケクソな勢いで底抜けに躍らせてくれる。キメではもちろんヒゲダンス。他にも 「Must Be The Moon」 など、カオスの中を全力でスキップしてくみたいな !!! 流ダンスナンバー連発。色んな意味でファンキーと言うか、凄くパワーのあるバンドだなーと。楽しくはしゃげて良かったです。


DACHAMBO @ FIELD OF HEAVEN
初めて聴きました。ツインドラムにディジュリドゥのメンバーも擁する6人組。ヘヴンにびっしり人が敷き詰まって、サイケデリックなトランスで宇宙の果てまで爆走しそうな、 !!! とはまた別のタイプのカオス・ダンス空間が展開されていました。時にハードロック的だったり牧歌的なポップスっぽい面も見せつつ、基本はまたしても踊る阿呆に見る阿呆。煽る声までもエコーかかって超ドープ。空にも地下にも突き抜けるような気の発し方が凄かったです。俺はと言うとこの辺で疲れてきたので後ろに下がって見てたんですが、まだ知らん所に面白いバンドがいるもんだなーとか思いました。ちびちびビールを飲みながら。


FEIST @ ORANGE COURT
初めて聴きました。カナダ出身の女性シンガーソングライターですね。真白な衣装で登場。内省的な陰りを帯びながら、しっかり外に向かってアピールする力も感じさせるポップロック。割とオーソドックスなスタイルですけど、ヴォーカルは擦れつつ良く伸びる声質で、芯のある歌声が素直に気持ち良かったです。客を交えてのパフォーマンスは (客を3つのグループに分けて音程を割り振ってコーラス) 、いかんせん英語なので伝わりにくい部分もあったけど、概ね盛り上がってて成功してたと思います。終盤ではゲストに男性ヴォーカル (Broken Social Scene のメンバーだったみたい) 登場というサプライズもあったり。内向きの繊細さと外向きの力強さを兼ね備えてるといった感じで、好感が持てました。


iLL @ ORANGE COURT
初めて聴きました。元スーパーカーのナカコーを中心としたプロジェクト。脇にはおなじみ勝井祐二も。まずはギター、ヴァイオリン、チェロの3人編成でスタート。穏やかに緩やかに、時には鬼気迫るノイズを発したりしながら、奥行きと瑞々しさ、浮遊感のあるサウンドを紡いでいく。ワンフレーズを繰り返すヴォーカルも相まって、ミニマルな恍惚も滲み出て無意識に引き込まれる。そんな音響空間が過ぎると、今度はギター、ベース、ドラムの3人でアッパーなダンスミュージックに方向転換。ベースがグリグリと強い主張を見せながら、レーザーも交えてトランシーに加速していくんですが、その中でも何処となく感傷的な感覚は残されてるという。そんでラストは全員参加。チェロの人がガリガリ火花を散らすというパフォーマンスをかましつつ、クールに突き抜けて終了。俺はナカコーにまつわる作品をあまり聴いてないですけど、それでも実に彼らしい音だなと思わせてくれました。良かったと思います。


んで本当はこの後の Vincent Gallo も見ようかと思ってたんですが、体力とか時間とかの問題であえなく断念。明日に続きます。