RADIOHEAD 「IN RAINBOWS」


リリース形態が大きく物議を醸している、4年ぶりの7作目。


大雑把に言えば 「Hail to the Thief」 の延長線上、みたいな感じでしょうか。渋い味わいの UK ロックと神経質なエレクトロニカ、あるいはディープな音響処理といった実験要素との融合は相変わらずの手腕で違和感無くこなされ、また以前より肩の力が抜けて比較的ライトな印象になってる辺りは 「The Eraser」 を彷彿とさせます。荒々しい音で疾走するロックンロール 「Bodysnatchers」 、幻想的な美しさと冷たいダークネスの同居がまさに深海を思わせる 「Weird Fishes/Arpeggi」 、ストリングスが陰鬱さを助長するフォーク曲 「Faust Arp」 等々粒揃いの内容になってますが、どの曲にしても程良く異形で程良くポップ、そして何より全ての要素が一体となって醸し出す心地良い倦怠感、身体を少しずつ蝕んでいくような甘い憂鬱を纏った、その音はまさしくレディへ以外の何物でもないです。新鮮さは無い代わりに元来持っている鉄板の魅力を発揮した、ある意味ベテランらしい作品だなと。それがまた賛否分かれる所かと思いますが、聴くたびにずぶずぶハマる底なし沼みたいな中毒性はしっかり保たれてるし、それならまあいいかという気がしないでもない、そんな感じでありました。ちなみに当然のように0ポンドで落としましたが何か。


Rating: 7.0/10
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