worrytrain 「fog dance, my moth kingdom」
- アーティスト: Worrytrain
- 出版社/メーカー: Own
- 発売日: 2010/09/07
- メディア: CD
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内容は荘厳なピアノ/フルオーケストラ演奏が主体で、そこに研ぎ澄まされたエレクトロニカが混じり合うというスタイル。その音は深遠な奥行きを持ちながらひどく重々しく、緊張の糸がどの曲でもピンと張りつめています。また 「thundertrance interlude」 「saturniidae」 では非常階段ばりのヒステリックなノイズが突然爆発したり、 「exorcism for cello and malaria」 では狂気的なチェロの音を弄り倒してエクスペリメンタルな音響空間が展開されたりと、ノイズ系アーティストに通じるアヴァンギャルドな一面も。そんな感じで下手すればゴシックとも受け取れるほどの冷たい闇が広がってるんですが、曲名にアウシュビッツやソビエトといった単語が使われてるあたり、ポリティカルな姿勢をとってたりするんでしょうか。そう言われると確かに、凄絶な戦争の後で荒廃しきった世界を表現してるかのようで、先日の A Whisper in the Noise とかとはまた違った趣がありますね。どっちが良いかと言われると個人的には AWitN の方に軍配が上がるんですが、微妙に質が違うとはいえ致命的に根暗なのはどちらも同じ。その底なしに深いダークネスにはついつい心を許してしまう。闇にドップリ浸りたい方はどうぞ。