world’s end girlfriend 「Enchanted Landscape Escape」
- アーティスト: world's end girlfriend
- 出版社/メーカー: Human Highway Records
- 発売日: 2007/11/09
- メディア: CD
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weg 本体は過剰なセンチメンタリズムで感動巨編を描くというある種分かりやすい方向性ですが、こちらはそれとは対照的に明確な起承転結はカット。音数も随分と絞り込まれ、電子音や生音がささやかに散りばめられたアンビエント/環境音楽みたいな作風です。 2nd 「farewell kingdom」 と同時期に作られたということで、音のサンプルも 「farewell kingdom」 と同じ物がいくつか発見できますが、使い方が違えばやはり響き方も違い、こちらはえらく実験的で色味を持たない音に変貌してる気がします。しかしそこにも weg らしい個性はしっかり貫かれており、意味深な曲タイトルと重ねて聴くと、音が少ない分こちらの妄想を広げる余白が多く残されてる感じで、むしろこちらの方がイマジナティブな魅力で言えば上かもしれません。深遠な奥行きと真冬の夜のように冷たい空気、常に何かが起こりそうな予感がシームレスで続き、その中で不意に挿入される切ないメロディ、氷を砕くようなピアノの音、荘厳なストリングスといった仕掛けでハッとするという。ただ相変わらず CD 収録時間限界まで詰め込んでるのでずっと入り込んで聴いてると疲れますが。他のことしながらの BGM 、もしくは何も考えたくない時にぼやーっと聴くのが良いかなと思いました。